TBSの企業価値向上を目指して

東京エレクトロン株式の分配

TBSによる東京エレクトロンの株式保有の理由についてTBSは「両者の取引関係維持・強化の手段」としていますが、両社の間に取引関係が存在しないことから、この説明をもって、株式保有の合理性の根拠とすることはできません。TBSと東京エレクトロンとのビジネス上の繋がりは54年前に行われた資本注入と、東京エレクトロンによるTBS所有の建物の占有だけであると私共は理解しています。現在の会社の業績にまったく関係のない半世紀以上前に発生した取引は、このような巨額の株式保有を正当化するだけの十分な根拠とはなりません。TBSの建物を東京エレクトロンが占有していることも然りです。

東京エレクトロンの株式はTBSの資産総額の19%を占めており、株主にも関係者にも大きなリスクを負わせています。東京エレクトロンの事業の内容や業績、そして、そのことがTBSの株主に利益をもたらすことについて議論するつもりはありません。しかし、その利益はTBSの株主が自ら東京エレクトロンの株式を保有していたとしても同様の享受をしうるものです。株主が東京エレクトロンと関係を持つもっとも公正かつ効率の良い方法は、株主自ら直接株式を保有することです。株式を直接保有することで、株主は東京エレクトロンの抱えるリスク要因について十分な情報を得た上で、リスクを負うか否かを適切に評価し、東京エレクトロンに出資するメリットについて自ら結論を下すことができるのです。

TBSが保有する投資有価証券による制御できない過度のリスクに晒されていない、との説明には重大な見落としがあります。また、仮に東京エレクトロン株式の株価が50%下落すると、TBSの資産額は10%減少します。投資有価証券ポートフォリオ全体が50%下落すると、TBSの資産額は27%減少します。不規則な株式市場の動きはコントロールできるものではなく、TBS経営陣にもこのリスクを軽減する対策はありません。

 

下記の構造図をご覧ください。現在、TBSの株主は、TBSを経由して東京エレクトロン株を持っているといえます。私共の推定算出では、TBSを経由して東京エレクトロン株を持つことによって、TBS株価に反映されている実際の東京エレクトロン株の市場価値よりも33%の割引がかかっている計算になります。一方、株主が東京エレクトロン株を直接保有した場合、この割引は生じません。TBSが保有する東京エレクトロン株をTBS株主に直接保有していただくことによって、その分の割引を解消することが実現できます。この割引の解消はTBSの長期的な企業価値向上につながります。

 

 

TBS株の割引率を下げる最初のステップとしては、まず東京エレクトロン株式を分配することであり、このようなわずかな分配によりTBSの資産基盤が揺らぐことはありません。この部分的な分配がいかに控えめなものであるかは、分配後のバランスシートを同業他社や現状の数値と比較すると明らかです。